幸せの契約
「うるさい!
使用人は黙っていろ!」

牧野の右ストレートが犬居さんに伸びた

「あぶない!」

とっさに叫ぶ私

でも、犬居さんはアッサリとその腕をつかむ

「主人に対するこれ以上の暴言は聞き捨てなりません。」


「な、なにをっ…!?」


力の差は歴然だった
顔色1つ変えずに右手一本で牧野の腕を後ろに締め上げる犬居さん


「どうか、今回はお引き取りください?」


ミシミシ

と骨の軋む音と牧野の苦しむ声が部屋に響いた


「これで済んだと思うなよっ!!」

捨て台詞を吐いて牧野達は逃げるように屋敷から出ていった


「お気をつけてお帰りなさいませ。」

犬居さんは静かに頭を下げる



私はただ呆然とその光景を目に写していた
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