幸せの契約
「せっかくのアールグレイが台無しですね。
今、新しい物をご用意いたします。」


振り返った犬居さんはいつもの彼だった


そそくさとテーブルを片付け始める


「何も…
何も聞かないんですか?私とあの人たちとの事。


犬居さんは何も聞かずに
何も話さずに私を守ってくれて…。」



「鈴様が…お話になりたいときに言ってくださればいいのです。私はいつも鈴様をお守りします。

理由なんて無いんです。私がそうしたいだけなので。」


笑顔を残して歩き出す犬居さん

思わす駆け寄って
燕尾服の裾をつかんだ
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