幸せの契約
しばらくして
犬居さんが入ってきた


「お呼びでございますか。」


私は深く深呼吸した

好きな人に合コン行きを報告するなんて


「明日なんですけど




合コンに行くので、迎えは大丈夫です。」



よしっ!
言った!!



暫くの沈黙


「…合コンですか?」


犬居さんは今まで見たことないような複雑な表情


「はい…。静香に強制されちゃって。」


「大和様の仮にも婚約者として報道されてるのにですか?」


あ!
忘れてた…大和さんの事



渋い表情の犬居さん






こうなったら





犬居さんに近づいて
上目使いに遠慮がちに見上げた


「お願いします。犬居さん…。」





一瞬

犬居さんの顔が赤くなった気がした



そして
口元を右手で押さえて


犬居さんが口を開く


「かしこまりました。
許可いたします。」




通じた?


静香直伝のお願い術



「ただし、合コンよりお帰りの際はお迎えに上がりますので、ご了承ください。」


こうして
私の合コン初体験への準備が始まった
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