幸せの契約
みんなも盛り上がって
私もほろ酔い気分で楽しくなる


「平瀬さん、はい。」



とれそうで取れなかったパエリアから矢倉くんがよそって差し出した



「あ、ありがとうございます。」


受け取りながら
矢倉くんがテーブル全部に気を配っている事に気が付く


飲み物切れたら注文してくれたり


料理よそったり



なんだか
犬居さんみたい…



思い出して自然と笑ってしまう


「え?何?」


矢倉くんが手を止めた


「あ、なんか…気配りできてて凄いなぁって思って。」


慌てて答える私に矢倉くんは笑って言う


「気になっちゃうんだよねぇ―。俺の家が飲食店やってるからさ。
本当は気にしたくないんだけど。」



お酒を一口飲む矢倉くんは恥ずかしそう



私はそれを見てまた笑った

矢倉くんも笑った



楽しい



色々な人たちとお酒のんで話して騒ぐのって…


最高だぁ!



そんな事を思いながら
進められるままお酒を飲んだ
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