幸せの契約
一瞬の出来事に私は静止する


気が付いた時には犬居さんの腕の中にいた


「お戯れはおよしください、矢倉様。


失礼いたします。」



犬居さんの今までに聞いたこと無いような

冷たい怒りに満ちた声が耳に響いた



矢倉くんは得意気に私に手を振っていたけど

犬居さんに抱かれたままで私は手を振り返す事ができなかった




車中犬居さんは一言も話さなかった



そして
屋敷の玄関に車は止まる
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