幸せの契約
新しいアイスコーヒーを持って静香の待つ席に帰ると

4つある座席が埋まっていた


座っていたのは
矢倉くんとその友達


矢倉くんが私に気付いて
席を開けてくれる


「ごめんね、勝手に座って。どうぞ、平瀬さん。」


フワッと香る柑橘系の甘い匂い

慣れた手付きで私を椅子に座らせる


「どうして?ここに?」


矢倉くんが居る理由が掴めない私


「どうしてって、ここは大学内のカフェだよ?学生の俺たちがここに来るのは普通のことだよ。」


そう言ってケラケラと笑う矢倉くん


確かにそうだけど…


バカにされてるみたいで少し胸がモヤッとする
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