幸せの契約

蔵之助さんと向かい合うようにソファーに座る


芳賀さんは犬居さんの横に立って

まるで犬居さんのお茶の淹れ方をチェックする教官みたい


｢屋敷は満足してもらってるかな？｣


蔵之助さんが回りを見て私を見る

相変わらずの視線の強さ


｢はい。
私にはもったいないくらいの立派なお屋敷で。使用人のみんなもとても優しくしてもらってます。｣


｢よかった。

私としては今年のクリスマスは鈴ちゃんと初めてだから、もっと盛大に大きな屋敷でやりたかったんだがね
犬居が鈴ちゃんは倹約だからあまりお金がかかった盛大なものは気を使わせるだけで、アットホームな感じのパーティーが喜ぶって言うんだが、アットホームがいまいち分からなくてね。

私の方からお邪魔させてもらったよ。｣



アットホームがわからない

かぁ

いつもはどんなパーティーしてるんだろう


考えようとしても
キラキラした雰囲気だけで圧倒されてしまう