幸せの契約
「失礼します。」


犬居さんが私たちの前に香り立つ紅茶と色とりどりのマカロンを出す


「鈴ちゃんが幸せそうで安心しました。
色々、あったようだが、しっかり犬居が働いてくれてるようだし。」



「はい。」


色々な事

蔵之助さんは知ってるんだ
矢倉くんの事
里親の事を


「ところで、鈴ちゃん。残念ながらクリスマス休暇は海外に行かなくてはならなくてね。

少し早いが、クリスマスプレゼントを持ってきたんだよ。」



蔵之助さんが言うと

私の前に芳賀さんがリボンの付いた古いアルバムを差し出した



「…?」


アルバムと蔵之助さんの顔を交互に見る


「開いてごらん。」


優しい蔵之助さんの笑顔に促されて


古いアルバムの革の表紙を開いた
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