幸せの契約
「鈴様、朝食が済みましたらご入浴なされてはいかがですか?」


「え?」


入浴…風呂入れってこと?朝から?!


「失礼ですが、昨晩はお疲れになっていた様子でご入浴されておりませんし、お召し物も昨日のままでございます。」


言われて自分のかっこを見る…



確かに…昨日のままだ



「ご入浴されて新しいお召し物に着替えれば気分もスッキリするかとおもいますが。」


まぁ…
確かにお風呂に入らないのは気持ち悪い

「わかりました。」


私の言葉に犬居さんはテキパキと動き始めた


「バスタブにお湯を張っておきます。お着替えはクローゼットの中に鈴様が今までお使いだったものと、こちらでご用意したものがありますので、お好きなのをお召しください。」



私が食べ終えた朝食の皿を台車に乗せて
犬居さんは部屋を出る


「後程、メイドが来てお手伝い致します。
私はこれで失礼致します。何かあればそちらのベルを押してください。」



遠ざかる足音




なんだかなぁ…




私が

こんな生活



あり得ない…


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