幸せの契約
クローゼットを初めて開ける


いや、
正しくはウォークインクローゼットのなかに入る

!!

「な…にこれ?!」



そこは私が今まで住んでいた四畳半と同じ広さ


その中に
きちんと整理された私が前から使っていた服が1割

残り9割りは見たことの無い一流ブランドの服や靴、バッグ…


しかも
ピンクのチェストの中には雑誌から飛び出してきたかのようなランジェリー類がビッシリ…



軽いめまいを感じる


コンコン

「鈴様?ハウスメイドの田中です。失礼致します。」


振り返ると
メイド服を来た高校くらいの女の子が立っていた


「あなたが…メイドさんですか?」


その容姿はまるでコスプレ
黒髪を2つに結って
黒渕メガネに童顔


「犬居さんからご入浴を手伝うようにと言われて参りました。
お着替えはお決まりですか?」



手にはバスタオルとバスローブがキチンと畳まれていた


「決めるもなにも、なんでこんなに数が多いの?」


わたしの頭は混乱する
っていうか
この暮らしについていけない


「こちらにご用意したお洋服は全て、有名ファッション雑誌に載っていたものです。旦那様が雑誌に載っているものを全て用意しろとのことでしたので。」




あのオヤジはどこまで凄いんだ…?



とりあえず
着なれた私寝よう服を2、3枚引っ付かんでそこを出た
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