幸せの契約
『ええ、私もその件でお電話したんですよ。』
どこか得意気な声
「え?」
犬居さんが心配そうに私を見る
『平瀬さんの通う大学の経営が悪化し、こうなるのも時間の問題というのはわかっていました。
なので、平瀬さんが新しい家に住み始めた日に別な大学への編入手続きをとりました。』
「はぁ?
編入手続き?!」
思わず声をあらげてしまう
「どうしてわかっていたなら、教えてくれなかったんですか?!」
近くにあったテーブルを力一杯叩いた
犬居さんがビクッと体を震わせる
そして
赤くなった私の手を見つめた
『お話ししても良かったのですが、あの時は混乱していた様子だったので、話しは遠慮したのです。』
確かに…
あの時はそんな話をされても混乱しただけかもしれない
『私の妹が大学を経営してましてね、そちらの文学部に編入するようになってます。詳しくは犬居に聞いてください。
では、また今度。』
電話は一方的に切られた
「ちょっ…!?
もぅっっ!」
また勢いよくテーブルに拳を降り下ろした
パシッ!
テーブルに触れる直前で私の手を犬居さんが止めた
私の手を握る犬居さんの瞳が険しくなる
「お止めください。
鈴様のお手が傷つきます。」
どこか得意気な声
「え?」
犬居さんが心配そうに私を見る
『平瀬さんの通う大学の経営が悪化し、こうなるのも時間の問題というのはわかっていました。
なので、平瀬さんが新しい家に住み始めた日に別な大学への編入手続きをとりました。』
「はぁ?
編入手続き?!」
思わず声をあらげてしまう
「どうしてわかっていたなら、教えてくれなかったんですか?!」
近くにあったテーブルを力一杯叩いた
犬居さんがビクッと体を震わせる
そして
赤くなった私の手を見つめた
『お話ししても良かったのですが、あの時は混乱していた様子だったので、話しは遠慮したのです。』
確かに…
あの時はそんな話をされても混乱しただけかもしれない
『私の妹が大学を経営してましてね、そちらの文学部に編入するようになってます。詳しくは犬居に聞いてください。
では、また今度。』
電話は一方的に切られた
「ちょっ…!?
もぅっっ!」
また勢いよくテーブルに拳を降り下ろした
パシッ!
テーブルに触れる直前で私の手を犬居さんが止めた
私の手を握る犬居さんの瞳が険しくなる
「お止めください。
鈴様のお手が傷つきます。」