幸せの契約
犬居さんの言葉を

信じてもいいの?


裏切られ続けた私には
信じることは何よりも難しい…


「大分体調も戻ったようですね。」


犬居さんの言葉に部屋に間接照明ね明かりがつけられていることが分かった


時計を見ると20時半を少し回っている

私が眠りについたのが昼前だったから

「もしかして…ずっと傍にいてくれたんですか?」

事実に気付いて驚く私

「はい。
そう、申しつかりましたので…。」


“一人にしないで”

「あ、ありがとうございます。」


自分が言った一言を思い出して恥ずかしくなる


「とんでもございません。
鈴様、食欲はございますか?番場さんが鈴様の為にと夕食を作っています。」


そういえばお腹空いたな


「はい。食べます。
食堂に行きましょう?」


「鈴様!?
起きても大丈夫なのですか?」


心配する犬居さんの顔がなんだか可笑しかった


クスクス笑ってしまう

「大丈夫。
寝過ぎて頭痛くなりそうなんです。だから、少し動きたい。」


「…かしこまりました。」


犬居さんが心配するなか私は食堂へ降りた
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