春-15歳のココロ-
「あのね柚...私やっぱり

緑高受けるの やめようと思うの...。

私のランクじゃ やっぱ緑高なんて

無理だから...。」

「え...?? 」

突然のことに私は思わず聞き返した。

「でもさっ 柚は緑高行きなよ♪

緑高の制服 着たいんでしょ♪」


―――私のココロが小さかった

だけなのかもしれない。

でもね...??

ずっと...ずっと2人で

頑張ってきたんだよ...??

夏休みも 冬休みも

毎日図書館通って...

たまに遊びたくなっても

【緑高受かったらいっぱい遊ぼうね!】

って励ましあってきたんだよ...??

それなのに...それなのに葉月は

【緑高受けるの やめようと思うの...。】

って

【柚は緑高行きなよ♪】

って...簡単に言ったんだよ...??

緑高の制服着たいのは...

葉月も一緒じゃなかったの...??

2人で行こうねっていう約束は

どうなったの...??


なんていうかもう裏切られた気持ちで

いっぱいで

「もう知らない。」

つい そうきつく言ってしまった...。

その後の葉月の悲しそうな顔

いまでもはっきり覚えてる...。


その日から小1のときから

2人で歩いてきた通学路を

1人で歩くようになった...。

学校でも 一言も話すことはなかった...。

悪かったな って思って

謝ろうとしても

時間がたてばたつほど

勇気がなくなっていって...

結局...今日まで...。

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