好き?
李亜はすごい。
私は三年間付き合っててもさん付けだったのに、李亜はもう呼び捨てで呼んでる。
そんな李亜が私にとって憧れで、
同時に嫉妬する。
「あ、もしもしさとし?あのね、デートの件なんだけどね」
李亜はさっそくさとしさんに電話をかける。
「アハハッ、うん、わかってるって」
なんでそんな楽しそうに話してるの?
何はなしてるの?
見たくない。
見たくないよ。
私のさとしさんとそんな楽しそうに話さないでよ。
「うん、じゃあね!凛、明日の土曜日、朝10時から駅前の噴水でね!」
「う…ん…」
気持ちが乗らなかった。
本当は、行きたくないのだから。
二人が楽しそうに話しているところなんて、見たくないのだから。