好き?



言ってしまった。
誰にも、言ったことはなかったのに。

なんていわれる?

親友の彼氏を好きになるなんて変だって、最低だって言われる?
そういわれてもしょうがない。

それほどのことを、私はしている。



「ひか…る?」



私はいつまでたっても何も答えない光を変に思い、おもいきって顔をあげた。

このときの気持を、どう表現していいのかわからない。



「なんで…光が泣くの…?」



目からは涙が出ていて、数滴の涙のしずくが、光の足元に落ちる。



「最低だって、思わないの…?思ってる…でしょ?」

「思わないよ。」



思わない。
私はずっと誰かにそう、言って欲しかった。
この気持を、許して欲しかった。

光は、許してくれた。


これほど嬉しい事って、あるだろうか。



「あ…ありがと~…!」



泣きながら、抱きついてしまった。



「ありがと…ありがとう…!」



何回言ってもいいつくせなかった。
涙も、止まらなかった。

そんな私を光はただ、黙って、何も言わずに、頭をなでてくれた。




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