好き?
第12話



「光!」



私は元気よく光に声をかける。
さっきのことを、忘れるために。



「あれ…さとしいなかった?」



いきなり光は痛いところをついてくる。



「わざとだったの…?」

「喜ぶかなって…」



喜ぶどころか、傷ついた。



「光の馬鹿…!最低!私、私…!」



いっぱいいっぱいだったのに。

これ以上、私を泣かせないでよ…。



私は光に何も言わずに、その場を離れた。


最低。


それは私の事だ。
光は何も言わずに、黙って聞いてくれたのに。
私の事、最低って、言わなかったのに。

さとしさんのことだって、気を使ってくれたのかもしれないのに。

勝手に怒って帰ってきちゃうなんて。



私って、本当に最低…。







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