好き?
その日の放課後は、何時もどおり授業をてきとうにうけ、昼休みもてきとうに時間をつぶした。
そして最後のHR。
てきとうに先生の話を聞いて終わるつもりだったのに。
「今日は生徒会からアンケートがきています。アンケートに答えてから帰ってください!」
若々しい担任の声。
夢がたくさんありそうな目だ。
「めんどくさ…」
そうつぶやきながら書いていく。
そして最後の質問。
【夏休み、あなたが一緒に過ごしたい人は誰ですか?】
ドキッとした。
こんなの、家族とか、友達とか書けばいいのに。
今思い浮かぶのは、さとしさんだけ。
【三原(みはら)さとし】
だめだめ!
一回書いた文字を消そうと消しゴムを探していた時、
「集めるわよ~!」
回収の時間となった。
私の解答用紙は、前の人にもっていかれる。
「待って…!」
私は思わず声を出す。
前の人が不思議そうにこっちを見ている。
「あ…ごめん…なんでもない」
別に、李亜にきずかれることもないし、まあいいか。
でも、その考えが甘かったんだ。