好き?
…え?
………。
………!
ばれたんだ。
私が、三原さとしって書いたこと。
「ねえ、答えてよ。それともまだ、嘘をつく?」
私は李亜の顔が見れなくて、思わず下を向く。
「凛さぁ、おかしいんじゃない?さとしが私の彼氏だって、知ってるよね?」
「うん…。」
「じゃあさ、なんで書くのかな。」
答えられない。
好きだって、いえるわけないじゃない。
「わた…し…」
「聞きたくない!その意味がわからないほど、私馬鹿じゃない!親友だと思っていたのに…」
そういい終えた後に、李亜はどこかに行ってしまった。
追いかけようと思ったが、足が動かない。
待って、
といおうと思ったが、声がでない。
ポツ、ポツ――。
何かが肩に当たる。
雨だ。
初めは少しづつ、それからだんだん大きくなる。
雲は黒く、空も黒かった。
まるで、私の心を表しているかのように。
「馬鹿だ…私……。」
あきらめようと思ったのに。
好きな人も、親友も失って、私にはいったい何が残るのよ…。
本当に、馬鹿だ。
いくら後悔しても、時間は元に戻らなくて。
やりなおしたくても、それは無理で。
「もう…やだ…。」
頬を伝わって、一滴のしずくが下へと落ちた。
それは雨だったのか、それとも涙だったのか、本人にしか、わからない。