好き?
一人は、嫌なの。
第16話



家に帰る。
そして何時もどおり、お母さんが怖い顔をして待っているのだ。



「遅かったわね。あらあんた、傘持っていかなかったの?ちゃんといったじゃない」

「……。」



私はそれを無視していく。

髪も制服も、何もかもが濡れていて。
とりあえず着替えなければいけないのに、私はベットにそのまま倒れこむ。

鞄もてきとうに投げると、携帯が中から出てきた。

メールが来ているようだが、拾おうとはしない。


昨日も確か、同じような事があった。

ああ、光とけんかしたんだっけ。
私が勝手に怒ってかえってきたのだけど。


昨日の今日で、嫌な事が続いて、ちょっときつい……。



「もう、どうでもいいや…」



何もかも、終わってしまった。
私に李亜以外の友達はいなくて。
あとはさとしさんと、光だけだった。
その光とも、今日は一度も話してない。

そもそもクラスが違うのだ。
学校で会えるわけがない。

光と、ずっとこのままでいいのかな…?

光だけが、最後の友達なのに。

これで、いいの?



いいわけ、ないじゃない。



私は携帯を握り締め、外にでた。







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