不真面目日記
全然悪いことを言った自覚のない春紀が仕切り直そうとする。
「まあ…根元と山村は接客に回ってもらうけど…根元は調子に乗りすぎないでね!それから山村はなるべく存在感出して!」
「……」
「……」
何…存在感を出すって何…
「どうやって…?」
「いやだからそれは、ほら…とにかく【僕はここにいるよ。必死に生きているんだよ】オーラをかもし出してて!」
「何だよそれ!そんな意外と凄そうなオーラを簡単に出せてたら、山村はもっと存在感のある奴になってたさ!!」
「根元…それフォローしてんの?それともそんなに俺のこと嫌い?」
何ということでしょう。
俺はいつの間にか、『キャラが定まらない曖昧な奴』ではなく、『地味でつかみ所がなさすぎるという設定の奴』になっていたんだ。
ややこしいけど俺はキャラがわからないのではなく、地味キャラという役割が与えられていた。
「存在感のある山村なんて山村じゃない」
……俺のキャラ設定がはっきりした今、多少のことでは落ち込まない。