【詩集】水のない海を泳ぐように
みすずちゃん、
みすずちゃん
なにをみてるの
「きれいな宝石よ」
それはただの石ころなのに
みすずちゃん、
みすずちゃん
なにがきこえるの
「宇宙人のうたごえよ」
それはただのクラクションなのに
みすずちゃん、
みすずちゃん
なにをもってるの
「ちょうちょうがまいた魔法の粉よ」
それはただの砂なのに
なにをいっているの
みすずちゃん、
みすずちゃん
どこへいっていたの
ねむっているの
みすずちゃんの声はもうきこえない
みすずちゃんの目は美しいものを映す
この世界の煩わしいものも
汚れたところも
醜いすがたも
みすずちゃん、
みすずちゃん
あなたの目に
わたしはどう映っていたの