ビターチョコレート
「・・・え、千恵。今の、聞いた?」
「へ・・・?」
美沙の声で我にかえり、
もう一度あの席に目をむけた。
「そ、そんなこといわないでー。
あたしのだけでももらってよ~!!」
ぶりっ子女子が、あの人に迫ってる。
そしたら、あの人が言った。
「いらねって言ってんだよ。
・・・俺、甘いもん、キライ。」
自分の耳を疑う。
美沙に、助けを求める。
「み、美沙。
笠原くんはさわやかスマイルで
『もちろん』っていったんじゃないの?」