ビターチョコレート

「・・・え、千恵。今の、聞いた?」

「へ・・・?」

美沙の声で我にかえり、

もう一度あの席に目をむけた。


「そ、そんなこといわないでー。
あたしのだけでももらってよ~!!」

ぶりっ子女子が、あの人に迫ってる。


そしたら、あの人が言った。




「いらねって言ってんだよ。

・・・俺、甘いもん、キライ。」



自分の耳を疑う。

美沙に、助けを求める。


「み、美沙。

笠原くんはさわやかスマイルで
『もちろん』っていったんじゃないの?」


< 4 / 31 >

この作品をシェア

pagetop