職場内恋愛
「あたしが何か知ってる?まさか。
んなワケないじゃん。
あたし…生徒だよ?
いくら奈々ちゃんでも悩みなんて教えてくれないって」
確かに京地の言う通りだと思った。
あくまでも、奈々と京地は生徒だ。
いくらなんでも悩みを話すワケ…ない、か。
『だよな、うん』
「そうだよ、先生。
ってか…奈々ちゃんに悩みあると思ってるワケ?
何?なんか悩ませちゃうようなこと、したの?!」
『………覚えとけよ』
俺はキッと京地を睨み、チョークを握る。
「………頑張れ、先生」
今、そう…聞こえたのは気のせいだろうか。
京地の方を見るがアイツは俯いていた―――。