職場内恋愛
『山崎先生……』
てっきり、奈々と部屋に戻ったのかと思った。
「橋野先生には適当に理由つけて、ここに来ちゃいました」
山崎先生はそう言って笑う。
俺の思ってること、伝わったのか…??
『どうしたんですか?
俺に、用でもありました??』
なるべく素っ気ない態度をとる。
なんとなく山崎先生が言いたいことを感じたから。
「わざとお2人をペアにしました。
余計なことしてすみません」
山崎先生は座ったまま頭を下げる。
『いや、いいんですよ。全然。
久しぶりに奈々の笑顔も近くで見れましたし。
でもまあ…緊張、しましたけど』
俺は灰皿に短くなったタバコを押しつけた。
「そうですか。
なら良かったです。
それで本題はここからなんですが……」
山崎先生が顔を伏せた。
本題……きっと、ああいうことを言うんだろうな。
そう察しがついた俺は先手をきる。
『俺は、告白なんてしませんよ…』