職場内恋愛
「私は」
俯く奈々。
どうして俺の目を見てくれない?
不安になるだろ…
「私は耐えられなかった。」
何に耐えられなかったんだ?
俺の…束縛に、か?
けど俺、そんなに束縛したつもりなかったんだけど…
「優作さんの過去を背負うことに耐えられなかった」
奈々の口から出てきたのは俺の想像とはまったく違う言葉。
そして、頭を鈍器で殴られたような衝撃で。
やっぱり美優のこと…重すぎたのか。
こんな俺と付き合うのは辛いもんな。
「自分を責めないでください、優作さん。
全部…私が悪いんです。
私が、もっとしっかりしていればちゃんと受け入れられました。
でも私は未熟で、弱かった…」
奈々が顔を上げる。
瞳に浮かんだ涙を月が照らした。