職場内恋愛
「美優さんに会いに行ったんでしょ…?」
京地は俺のほうを一向に見ようとしない。
ずっとグラウンドを見つめていて。
俺も、外を見つめた。
『ああ、行ったよ』
「それで先生は美優さんと話した。」
『うん』
京地はいったい、何を言いたいんだろう。
「そのときの美優さんは、何も覚えてなかった」
『ああ』
当たり前だろ。
美優は記憶をなくしてるんだから。
「でも…それが偽り、だったとしたら…?」
そのとき、初めて京地と目が合う。
京地の目は逸らしたくなるほど真っ直ぐで。
そして、逸らしたくなるほど悲しかった…