職場内恋愛
『他に隠してることは?』
泣き止んだ奈々の顔を覗き込む。
「ない…です」
『ん』
俺は奈々の頭に手を乗せる。
『もう隠し事、すんなよ。』
頷く奈々。
『それと』
奈々は顔をあげる。
『これからは敬語禁止。
それにさん付け禁止。』
奈々の目が見開かれた。
もう十分大きい目をそれ以上開くな、つーの。
「む、無理ですよ…」
照れる奈々。
思わず笑ってしまった。
「な、なんで笑うんですかぁ…」
『いや、可愛いなって思って』
そう言うと奈々は耳まで真っ赤にした。
「ゆ、優作の意地悪」
『ん?今、なんて?』
わざと聞こえないふり。
俺ってこんなキャラだった…?
「もう言わない!」
奈々はいつもの笑顔で笑った。
やっと笑ってくれた。
やっぱり笑顔が1番似合う。