職場内恋愛
『奈々?』
俺のほうを見つめる奈々の髪の毛を撫でる。
『俺、別に怒ってないから』
奈々の瞳が潤み出す。
『奈々が受け入れるようになるまで俺、待つから』
そう言うと奈々はポロポロとベットの上に涙を零し始めた。
「ずっと…ずっと…この日が来るのが…怖かった…
自分でも大丈夫だ、って思ってたのに…やっぱり…無理だった…」
奈々を抱きしめる。
『気にしなくていい。
まだ時間はいっぱいあるんだから。
な?奈々』
俺は奈々の額にキスをする。
体を重ねることも大事かもしれない。
でも、こういう時間のほうがもっと大事なんじゃないだろうか。
俺たちは俺たちのペースで。
人とは比べない。
俺はその夜、そう胸に誓ったのだった。