職場内恋愛
Side 奈々
優作がイヤなんじゃない。
優作が怖いんじゃない。
優作が、悪いんじゃない。
隣で寝息をたてる優作の寝顔を見ているとひいたはずの涙がまた、溢れた。
こうなることが、怖かった。
なんとなく、分かってたんだ。
拒んでしまうこと。
どうしてもあの夜のことが脳裏に浮かぶ。
そうすると体が恐怖で震えてしまう。
『…………奈々』
突然、名前を呼ばれ、慌てて涙を拭おうとした。
でもその手を優作に掴まれた。
『奈々が、悪いワケじゃないんだから。
だから、あんまり自分のこと責めるなよ。
お前の涙、俺もう見たくないんだ』
優作は私を抱きしめる。
『待つ自信、あるから。
焦らないで。
少しずつでいい。
少しずつ、進んでいこう』
優作の腕の中で小さく頷いた。