職場内恋愛
『京地…お前、いいヤツだなぁ…』
思わず、口に出した。
「そんなこと…ない。
あたしはいいヤツなんかじゃない。
だって奈々ちゃんのこと、止められなかったんだもん…」
そういうところがいいヤツだ、って言ってんだよ。
『あんまり…自分のこと、責めないでくれよ、京地。
よけいに俺、落ち込む…』
「なんで?」
京地は顔を上げた。
目は赤いが、涙は零れていない。
『だってお前に責任感じさせてる原因って俺だろ?
俺がもっとしっかりしてれば、こうはならなかった。
そういうことじゃんか。
だから…お前をそうやって追い詰めてんの、俺じゃん。
京地さ、あんまり落ち込むなよ。
お願いだからいつもみたいに笑っていてほしい』
お前が笑っていれば、
俺…元気になれる気がすんだよ。
もう俺とお前は教師と生徒以上の関係だから。
なんかわかんねぇーけど、お前に元気付けられてる俺がここにいるんだから。