職場内恋愛
「なら…いいんだ。
安心した。
じゃ、次の人呼んでくる」
京地は走って図書室を出て行った。
俺は名簿をひらき、京地の欄に一言書く。
『とくに問題ナシ』
アイツは俺の質問に何1つ答えてくれなかったけど、
きっと問題はないんだろう。
だって人の心配ができるってことは自分に余裕がある、ってことだろ?
「せんせぇー
どんだけ真の時間、長いんですかぁー
待ちくたびれましたー」
そう言いながら京地の次のヤツが入ってくる。
ふと、窓の外の人影が目にとまった。
見覚えのある陰。
『…………なな…』
「え?」
『あ…いや、なんでもない』
小さな声で呟いている自分に驚いた。
何をやっているんだろう、俺は。
仕事とプライベートくらいはっきり区別しなきゃ。