職場内恋愛
『ふぅ~…』
吐き出した煙は風に流され消えていく。
奈々…お前の気持ちも流されて消えてしまったのか?
消えてなんか…ないよな?
間違っても、中川先生を好きになったり…しないよな?
俺の心はモヤモヤしたものに支配されていく。
下からは生徒達の笑い声が聞こえる。
きっと、張り出されたクラス表に喜んだり、悲しんだりしているんだろう。
いいな、学生は。
もし俺が学生で奈々も学生だったら。
こんなふうに1人で悩むことなく、
お前に一直線に走って行けたのに。
大人だから。
プライドという名の壁が俺の前を阻むんだ。
ちょうど2本目のタバコを吸い終えたときにチャイムが鳴った。
俺は秘密の場所を出て体育館へ向かう。
『あ!センセー!
お久~!!』
体育館へ行く途中、京地の彼氏…相原に捕まる。
良かった、京地が隣にいなくて。
新学期早々アイツに睨まれることだけは勘弁してほしい。