職場内恋愛





「ね、せんせ」


後ろから手が伸びてきて俺の肩に触れる。



『こら、京地』


俺の後ろは京地だ。


これは、ただの偶然。

だって席はクジで決められたんだから。



「涼ちゃんに好きな人ができた、って知ってる?」


窓が反射して京地の顔が見える。

なんて顔してんだよ、お前、


そのニヤニヤ顔はやめろってーの。



『そうなのか?』


俺、そんな話聞いてない。


もしかして…コイツ、俺に遠慮してんのか?

まだ傷が癒えてない俺に。


涼の寝顔を見ながら思った。


あ、でも涼は好きな人ができてもわざわざ報告するタイプでもないか。



「らしいよ。

この間、聞いちゃった」


って京地な、お前はいったい涼とどういう関係だよ?


なんで涼がお前の質問に素直に答えて好きなヤツ、教えてんだよ?


いったいお前は何者だ、京地









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