職場内恋愛





『それ…どういう意味だよ』


思わず、不機嫌マックスの声が出た。



「そのまんまに決まってるじゃん。

徹平先生に奈々ちゃん、とられちゃうよ?って」


京地は涼しげな顔で続ける。



「なんとなく、先生だって気づいてるでしょ?


徹平先生が奈々ちゃんを口説こうとしてること。」


徹平先生って…中川先生のことだろ?

気づいてるに決まってる。


だって俺はいつも奈々のこと、見てんだから。



「本気だよ、徹平先生。


本気で、奈々ちゃんのこと…狙ってる」


京地の声は真剣そのもので。

コイツがこの声で話すことはいつも、真実だ。



「ま、でも奈々ちゃんはそんな気、サラサラないけどね」


なんだ…なら、良かった。

でも、京地の次の一言で俺はまた焦ることになる。



「けどなぁ…今ならどうだろっ。


奈々ちゃん、先生にヒドイこと言って後悔して。

ボロボロの奈々ちゃんの精神状態だったら、徹平先生に…コロッと行っちゃうかもね」









< 299 / 425 >

この作品をシェア

pagetop