職場内恋愛





「あの…うちの学校って禁煙ですよね?」


言いにくそうに少し顔を歪める彼女。

俺は煙を吐き出しながら



『俺と伊藤先生はタバコが好きでね?

どうしても吸いたくて誰にもバレない場所探してたらここを発見したんだ。


それから頻繁に2人で来てる』


と、言った。


彼女は特に何かを言うわけでもなくただ頷いていた。

そのまま沈黙がおとずれる。


ひたすら俺の煙を吐き出す音だけが聞こえて。


『橋野先生、2年の副担任なんですよね?

1年間よろしくお願いします』


その沈黙がイヤで俺はそんなあいさつをした。



「あ、お願いします!!

それと…1つだけお願いしてもいいですか?」


俺が首を傾げると彼女は


「名前で呼んでくれていいですよ!」

と、言った。


な、名前で…??


『じゃ俺も名前でいいよ。

その代わり2人のときだけね』


気づいたらそんなことを言ってる俺がいて。


意外にも積極的な自分に驚きが隠せなかった。








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