職場内恋愛
「もうっ…ホント…勘弁してください…」
ジェットコースターを降りた山崎先生は近くにあったベンチに座る。
『ホントに苦手だったんですね。
すいません』
いや、いいんですけどね…なんて言う山崎先生の顔色は悪くて。
『ちょっと待ってて下さい』
俺はトイレへ走り、ハンカチを濡らす。
『これ、使って下さい』
「……すいません」
山崎先生は濡れたハンカチを額に当てる。
「いやぁ…もう二度とジェットコースターに乗ることはないと思ってたんですけどね…」
なんて言う山崎先生は苦笑い。
ここまで苦手だとは思わなくて。
巻き込んでしまったことをものすごく、悪く感じた。
「さて、もうだいぶよくなったので行きましょうか。
さっきから藤堂先生が気にされているあの2人より、楽しみましょうね!
………仕事ですけど。」
山崎先生はそう言ってニヤッと笑う。
やべ…気づかれてたか。
向こうは気づいてないだろうか俺からはよく見える。
涼と、楽しそうに笑ってる奈々の姿が。