職場内恋愛
Side 奈々
なんで…あのとき、泣いちゃったんだろう。
泣く理由なんて、どこにもなかったはずなのに。
後悔でいっぱいだ。
あの日。
もっと、ちゃんと拒否すればよかった。
あの日。
優作の言葉に、泣かなければよかった。
あの日。
優作の車に乗らなければよかった…
もうこれ以上もないほどに、後悔ばかりが溢れて。
優作の、あの切なげな表情を思い出すだけで、胸の奥がぎゅっと痛くなる。
どうしようもない、後悔に呑み込まれる。
もしあのとき、あのまま優作に身をゆだねていたら、どうなっていただろう。
もしかしたら…
『………奈々ちゃん?
いい加減、優作のこと考えるの、やめない?』
「……あ…すいません」
今、涼さんとの見回りの最中だった。
完全に、忘れてたよ…