職場内恋愛
「………しないと…思います」
『でしょ?
なら優作は…「でも」
涼さんの言葉を遮る。
「でも、だとしても、ダメなんです…」
何が言いたいのか、自分自身も分からなかった。
ただ、目頭が熱くて。
上を見上げる。
『………奈々ちゃん』
涼さんが心配そうに私を見ているのが分かった。
「……さ、行きましょう。
涼さん」
無理矢理笑顔を貼り付け、涼さんを見る。
『あ~っ!
なんか俺、優作がうらやましいなぁ~』
歩き出した私にそんな呟きが届く。
「どうしたんですか?突然」
歩きながら交わされる会話。
『だってさ、アイツ、すげぇー愛されてんだもん、奈々ちゃんに。
俺の彼女っていつも二股とか、浮気性でさ。
1人の人に愛されたことがねぇーんだもん。
だから、優作がうらやましいなぁ~って』