職場内恋愛
『な、奈々ちゃんっ!』
真が涼さんと何かを話し込んでいると私の腕を掴む、相原くん。
「ん?どうしたの?」
そう聞くと答える前に私の腕を引っ張って、涼さんたちからちょっと離れた場所へ行く。
『お、女の子って…』
「ん?」
真っ赤な顔をして相原くんはモジモジしている。
どうしたんだろう。
『ど、どういうシチュエーションで…キ、キスしたい…とか、あるんですかっ?』
思わず、ふき出す私。
悪いと思っていながらもお腹が痛くなるくらい笑う。
だって、ホントに真っ赤な顔をしてる相原くんが可愛くて。
おもしろくて。
『ちょっ…そんな笑わないでくださいっ!』
周りをキョロキョロ見渡しながら相原くんは私を見つめる。
「……ごめん、ごめん
で、なんだっけ?
キスするときのシチュエーション?だっけ?」
コクンと頷く相原くん。
「まあ…憧れはどの女の子もあると思うけど…
でも、やっぱり、大事なのはシチュエーションじゃないんじゃない?」
そう言うと相原くんはキョトン顔で私をじっと見つめている。