職場内恋愛
「ね、奈々ちゃん。
1つ、聞きたいんだけど」
「ん?」
そう言うと真は顔を近づけて耳元で囁いた。
「先生たちに見つからずに賢と会う時間ってある?」
そんな真の言葉を聞いて今日の昼間の出来事を思い出す。
そう言えば、相原くん、真にキス…しようとしてた。
でもこの様子だとまだ、してない…はず。
ってことは…
心の中でニヤッと笑い、私は言う。
「食事が終わったあとなら30分くらい、会えると思う。
先生たちは生徒が出て行ったあと、そこで会議があるから。
他の子には内緒だよ?」
そう言うと真は頷き、ウキウキで部屋へ戻って行った。
これで夜の楽しみができた~!
なんてはしゃいでいる私。
さっきのことがウソみたいに元気になってるな、私ってば。
「橋野せんせー!
続き、行きましょう!」
そこへ山崎先生が戻ってきて。
「はい!」
と元気よく答えた私は各部屋を順に覗いて行った。
優作。
山崎先生の言ってたこと…信じてみようかな。
私のことまだ…好きでいてくれてる?
もし、そうなら…またもう1度…あの頃みたいに戻れないかな…