職場内恋愛

頑張れねぇーよ、と言ってみたところで

山崎先生が奈々とのペアを代えてくれるはずもなく。



「では、見回り、お願いしますね」

ニコッと笑う山崎先生が憎い。



『………い、行きますか』


なんだよ、この気まずさ。

ありえないくらい、やりにくい。


いや、やりにくいというか…

なんかもう、奈々の隣に立ってるのが無理。


いろんなことを耐える自信がない。




『どうですか?

初めての修学旅行の引率は。』


エレベーターの中での沈黙が気まずくて。

そんな言葉を口にした。


ってか、なんか偉そうに聞いてるけど俺自身、修学旅行の引率、初めてじゃん。



「楽しいですけど…でも、疲れました」


あの頃と変わらない奈々の笑顔。

良かった。


無理して俺に笑顔を向けてるワケじゃなくて。


そのことにひどく、安心した。