職場内恋愛




「全部終わりましたね~!」


それから奈々と手分けして見回りをしたおかげで無事に終わる。



『あの、今とか暇ですか?』

この発言。

俺の中じゃ結構大胆に誘ったつもり。


あくまでも、つもり、だけどな。



「あ…はい。」


『一服したいんで話し相手になってもらえないですか?』


また大胆な発言。

俺も少しは成長したのかもしれない。



「私で良ければ…」

なんて言う奈々を連れて1階のロビーで向かい合うようにして座った。



よくよく考えれば、

もし俺と奈々がまだ恋人という関係だったらこんな大胆なこと、できなかったな。


周りの目が気になって2人きりになんてなれなかったと思う。


じゃあ…アレか?

逆に別れててラッキーだったのか?


あ、でもラッキーって表現はおかしいよな。

だって俺、ラッキーじゃないし。


むしろ、アンラッキーくらいの勢い。



「……せ?

藤堂センセ?


火、付けないんですか?」


火の付いていないタバコをくわえたままぼーっとする俺に奈々が遠慮がちに言った。


ああ、と呟きライターで火を付け煙を吐き出す。

やっぱりタバコ吸うと落ち着くなぁ…











< 341 / 425 >

この作品をシェア

pagetop