職場内恋愛
そして…気づけば
『もう帰れるんだなぁ…
よっしゃー…!』
帰りの新幹線の中。
2日目は特に何も起こらなかった。
奈々と喋る機会はほぼゼロ。
そして奈々を気にする暇もないくらい動き回った。
そのせいで足が痛い。
新幹線の座席で靴を脱いで足を組む俺。
そして涼もまったく同じことをしていた。
靴なんてはいてたら窮屈過ぎてやってらんないからな。
『そう言えばさー…』
新幹線が動き出し、ノートパソコンを触っていた涼がおもむろに口を開く。
『今年度で山崎先生、移動なんだけどさ。
そしたら俺、山崎先生に告白しようと思うんだー…』
涼はいっさいパソコンの画面から目を逸らさず、言い切った。
俺はただそんな涼の横顔を口を開けて見つめるしかできなくて。
『そうか、頑張れよ』
の一言も言えなかった。
まさか…
まさか山崎先生の恋が…実る、のか…?
いや、そもそも涼は山崎先生のことが好きだったのか…?
え?それっていつから?
え?
え?
えええええ?
もうワケ分かんねぇーよー!!