職場内恋愛





そして…気づけば


『もう帰れるんだなぁ…

よっしゃー…!』


帰りの新幹線の中。


2日目は特に何も起こらなかった。


奈々と喋る機会はほぼゼロ。

そして奈々を気にする暇もないくらい動き回った。


そのせいで足が痛い。


新幹線の座席で靴を脱いで足を組む俺。

そして涼もまったく同じことをしていた。


靴なんてはいてたら窮屈過ぎてやってらんないからな。




『そう言えばさー…』


新幹線が動き出し、ノートパソコンを触っていた涼がおもむろに口を開く。



『今年度で山崎先生、移動なんだけどさ。

そしたら俺、山崎先生に告白しようと思うんだー…』


涼はいっさいパソコンの画面から目を逸らさず、言い切った。

俺はただそんな涼の横顔を口を開けて見つめるしかできなくて。



『そうか、頑張れよ』

の一言も言えなかった。


まさか…

まさか山崎先生の恋が…実る、のか…?



いや、そもそも涼は山崎先生のことが好きだったのか…?


え?それっていつから?

え?

え?

えええええ?


もうワケ分かんねぇーよー!!








< 346 / 425 >

この作品をシェア

pagetop