職場内恋愛
返事
あまりの驚きに何も口にできない俺へ涼が言う。
『ま、さ。
そういうことだから。
フラれたら慰めてくれよな』
いやいやいや…
フラれることはねぇーと思うよ?
なんせ、山崎先生はお前にベタ惚れなんだから。
『ってか…気ぃ早くね?
まだ今年度始まったばっかだけど。』
『いいだろ、別に。
なんとなくノリで言っちゃったんだから』
涼はそこでやっと俺の顔を見た。
『で、優作は?
俺に言うこと、あんだろ?』
『……別に、ねぇーよ』
奈々のことはあえて隠した。
きっと涼のことだから俺が隠し事してることなんて分かってるだろうけど。
でも、それでも言いたくなかったんだ。
涼におちょくられるのはイヤだったし、
何より口に出すことがなぜか怖かった。