職場内恋愛
『お前また真に奈々ちゃんのことなんか言われたのか?』
『え?』
家に帰ると涼が半分呆れたような顔をしながら言った。
『だって珍しくぼーっとしてんだもん。
俺だってそれくらいカンづくさ』
『別にぼーっとなんて…『へぇ~』
涼は俺の言葉を遮る。
『ぼーっとなんてしてない、って言うんだ?
お前、何言おうとしちゃってんの?
誰が見てもお前はぼーっとしてたよ。
奈々ちゃんと何があったかは知らねぇーし、
真になに言われたかも知らない。
だけどさ、そうやって誤魔化そうとすんの、やめろよ。
別に女のことで何も考えられなくなるのはカッコ悪いことなんかじゃないんだから。
堂々としてればいいんだよ、堂々と』
涼はそう言って俺の肩を叩いた。
コイツは何を偉そうに言っているんだろう。
いつもチャラチャラしてるくせに。