職場内恋愛
それから休みを挟み、
久々の授業。
『さっさと黒板写せよ~』
板書のための時間をとる。
その間に机の間を縫って俺は後ろへと移動していく。
そうすると突然、袖口を引っ張られる。
『どうした?京地』
俺の袖口を引っ張ったのは京地だ。
今、コイツは真ん中の列の1番後ろの席。
教壇から何気1番見える席に座っている。
「奈々ちゃんから伝言頼まれたんだけど…」
奈々、というフレーズが出ただけで心臓が大きな音をたてる。
なんて敏感に反応してるんだよ…
と、思いながら
『橋野先生がなんだって?』
そう言いながら京地に耳を近づけた。
「今日の授業後。
秘密の場所で待ってます。
だってさ。
ま、頑張ってね、センセ」
京地はニヤッと笑う。
もしかして…奈々、京地に告白の話、喋った?
はぁ…
コイツには知られたくなかったのに。