職場内恋愛





『そっか。

ま、お前のタイミングで言えよ。


いつまでも隠せることじゃないんだし』



『うん、分かった。

じゃ、次のヤツ呼んでくる』


相原が席を立って俺に背を向けたとき、俺は言った。




『ただ俺は京地は遠距離になっても

お前を信じてくれると思うし、

どれだけ忙しくても必ず連絡してくれると思うぞ』


なんたって京地だ。

世話焼きの、

腹黒京地だから。


アイツはそういうヤツだ。



『だよね。

あ、そうだ。

俺も先生に一言あるんだ』


相原は振り向くと言った。




『先生は知らないだろうけど

先生が元気ないとき、真も元気がないんだ。


だからさ、どれだけ悲しいことがあっても表に出さないでよ。

じゃないと真まで元気なくなって俺が大変なんだから』


そう言った相原は図書室を出て行った。



残念だな、相原。

俺がいくら元気がないときに明るく振る舞ったって京地はきっと気づくと思うぞ。


だから文句を言うなら奈々に言え。

俺が元気をなくすときは大抵、奈々が絡んでるんだから。







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