職場内恋愛






『じゃあまず、志望校は決まったか?

修学旅行前の進路希望調査は真っ白だったけど?』



「その言い方はさ、もしかして真っ白で提出したこと怒ってる?」


コイツ…

ちょっとずつ、微妙に話をずらそうとしてやがる。


と、踏んだ俺は言う。



『別に怒ってない。

で、志望校は?』


チラッとノートから顔を上げると京地が悔しそうな顔をして俺を睨んでいた。



『お前さ、俺がそんな手に簡単に引っかかると思ってんの?

もうかれこれ1年以上お前と付き合ってんだぞ?』


ニヤッと笑って得意げな俺。

京地はまだ悔しそうな顔をしたままだ。


だが、油断はできない。

なんせ『腹黒』京地だ。


今、腹の中できっと次の作戦を練っているに違いない。



「志望校?

そのへんの高校行くよ」




………あれ?

意外にも質問に答えやがった。


ま、ありがたいけど。

そんなことを思いながらノートに



『京地真 志望校…未定』


と書いた。






< 367 / 425 >

この作品をシェア

pagetop