職場内恋愛
つかの間
結局、京地との個人面談は45分間たっぷり使って終わった。
「毎日、あっという間に終わっちゃいますよね~」
珍しく、秘密の場所に山崎先生と俺の2人きり。
真っ赤な夕日が、沈んでいく。
『そうですね~
忙しいと余計、早く感じますよね』
「そうですね~」
忙しい時間の中のこの和む空気がスキだ。
疲れがほんの少し、取れるような気がするから。
「どうでしたか?京地真の個人面談は。」
『去年と同じです。
アイツに話を逸らされて、困りました』
「さすがですね。
彼女は先生を困らせる天才です」
山崎先生はクスッと笑う。
京地は今ごろ、どこかでクシャミをしているだろう。
『でも、アイツが卒業したら…淋しく感じるんでしょうね、きっと』
「あら、珍しい。
先生がそんなこと言うなんて。」
でも、思ったんだ。
アイツと話してるときに。
そりゃあ、困らせることばかりするヤツだけど。
どこかで俺はアイツにいつだって頼ってる。
その京地がいなくなる…
まだ先のこととは言え、
やっぱり、どこか淋しい。