職場内恋愛





『ビックリ…した?』


相原はそう言いながら笑うが

全然笑えてなくて。


きっと相原は必死で笑顔を作っているんだろうが

目は悲しげで、そして切なげで。

口元は引きつっていて。


見ていてこんなに痛いと思った笑顔を初めて見た。




『お前…ホントなのか…?』


『……こんなウソ、つけると思う?』


そう…だよな。

冗談でもそんなこと、お前は言わないよな。



『今日、クラスの雰囲気、おかしかったでしょ?

あれ、多分俺と真のせいなんだ。』


……なるほどな。

お前らが別れたならそれも仕方ないことだ。


なんせ相原と京地はクラスをまとめ、仕切る代表的な2人で。

その2人が付き合っていた事はクラス全員が知っていた。


だからきっと2人が別れた、

っていうのを知ったクラスのヤツ等は


どう接すればいいのか。

どう振る舞えばいいのか。


それが分からなくなってしまったんだろう。




『俺…やっぱり…ダメだったよ…

真のこと、絶対泣かせない、って思ったのに…


泣かせちゃった…』


相原はまた作った笑顔を浮かべる。



『相原…頼むからそんな悲しい顔で…笑うなよ…』










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